相続、遺言信託、後見、離婚、破産 その他一般民事事件(東京 弁護士)

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【心の種蒔き】「ごめんね」と素直に言えたら・・・・・幼稚園での事故1-2

  愛知県の地方都市、そろそろ春になるころのことである。
  この地域に自動車の部品工場ができて5年近くになる。あたりに急に住宅地が増えて小さな集落のようになり、そこから少し離れた今までに雑木林だった小高いところに、いつの間にか赤い屋根の幼稚園ができた。ゆるやかな坂を登っていくのだか、登りきったところに熊さんの顔をのせた可愛い門柱があり、あたりには珍しい樹木や草花がいっぱい植えられている。朝9時になると、そこに子供たちが集まってくる。送迎バスで来る子、父親の車で来る子、母親に手をひかれて来る子・・・・・・・さまざまである。

  事件の起きたその日は、とても穏やかに晴れていた。男の子を送ってきた母親が、門の所で手を離しながら、しゃがんで話しかけている。 

   「勝ちゃん。今日はおいしいケーキを買って、誕生祝をしましょうね。帰りに美穂ちゃんを誘っていらっしゃい」 
 
  勝ちゃんは母親の顔を見つめながら、 

   「うん、わかった。でもお父さん本当にゲーム買ってくれるかなあ」 

と、ちょっぴり甘えている。 

   「大丈夫よ。さあ、早く行きなさい」

 若い母親は、子供が園の中に入るのを見届けて、我が家に向かった。 

  勝ちゃんが教室に入ると、黒板の「勝くん、おたんじょうびおめでとう」という文字が目に入った。大好きな先生の字だ。美穂ちゃんが寄ってきて、小さな手で折り曲げた色紙をくれた。

  「これなーに?」

と言いながら開いてみると、男の子と女の子の絵が描いてあった。 

   「この子はねー、勝くんなの。こっちは私よ」

 と美穂ちゃん。他の子供たちも寄ってきた。 

   「さあ、みんなで勝くんに『おめでとう』を言いましょうね」

 と先生の声。楽しい一日の始まりである。 

   やがて子供たちの帰宅の時間がやってきた。送迎バスが子供たちを大勢乗せて、園の門のところに下り坂に向かって止まっている。バスに乗らない子供たちは、坂の下の道路わきにある砂場でいたずらをしながら親の来るのを待っている。
  砂場で勝くんが一生懸命お山を作っている。美穂ちゃんが小さな手で砂を寄せ集めている。 

   「ママがね、ケーキを買っておくから、美穂ちゃんに遊びに来てもらいなさいって言ってたよ」

   勝くんの声がはずんでいる。
  バスの方では、子供たちが大はしゃぎ。運転手は40歳ぐらいの小柄な人の良さそうな男である。

   「ちょっと忘れ物をしたから、取りに行ってくる。みんな静かに待っていなさいよ。車にさわってはだめですよ」 

と言って車を降りた。だめと言われれば余計さわってみたくなるものである。車好きな哲也くんや敬人くんが運転手の真似を始めた。 

   「よせよ」
   「いけないんでしょ」 
   「これなあに」

 蜂の巣をつついたような騒ぎである。

   「これ、動くよ!」

 という子供の声に続いて「ガチン」という機械の音。サイドブレーキがはずれたのだろうか。全く誰にも気づかれないくらい静かに、車が動き始めた。  何かの命を得た怪獣のように不気味な加速である。
  バスは、そのうちカーブを始め、激しく歩道に乗り上げ、柵を倒して砂場に突入していった。勝くんを迎えに来たお母さんが下の方で、大きな悲鳴をあげた。 

 小さな手を重ねるようにして、砂山を押さえていた勝くん。。。もうこの後のことは、悲しくて書くことができない。

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 制作責任者:弁護士 守谷俊宏