相続、遺言信託、後見、離婚、破産 その他一般民事事件(東京 弁護士)

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相続の基礎知識

 被相続人が亡くなられると相続が発生します。その際、確認すべきポイントはいくつかありますが、当面のポイントとしては、

  ① 遺産の範囲とその評価(相続の対象となる財産には何があるか)

  ② 相続人の確定(法定相続人が誰か)

  ③ 遺言の有無(手書きの自筆証書だけとは限りません。公正証書もあり得ます)

などが挙げられます。

 このうち①は、不動産、預貯金などプラスの財産のほか、借金(マイナスの財産)も含まれます。もし、負債の方が明らかに多いのであれば、相続開始を知った後3ヵ月以内に相続放棄等の手続をとらなければなりません(そうしないと、相続したプラス財産の範囲だけでなく、自分固有の財産まで使って借金を支払わなければならなくなります)。

 ②は、今のご家族の範囲内であることがほとんどですが、相続手続の場合、そのような感覚的なものではだめで、被相続人が生まれてから亡くなるまですべての戸籍謄本(今の謄本だけでは足りません)を取り寄せ、法定相続人となる人が誰かを確定する必要があります。

 ③は、誰かが遺言を預かっていたり、遺品の整理をしているうちに遺言書を発見したような場合には、相続開始を知った後、すみやかに家庭裁判所に「検認」の申立てをしなければなりません(民法1004条1項)。この申立てをする際には、法定相続人を確定する必要があるので、②で述べた全部の謄本を取っておくことが必要です。

 なお、公正証書遺言の場合、検認の手続は不要です(同条2項)。

 

 このように、相続の手続は意外に煩雑で、法律的な判断を必要とするものといえます。依頼までするかどうかは別としても、弁護士に一度相談することをお勧めします。

 

 相続は、被相続人(亡くなった方)の法定相続人が、その財産(資産と負債の双方を含みます)を、法定相続分で承継するのが基本です。

 法定相続分は、相続人が配偶者と子供の場合、配偶者が2分の1、子供が残りの2分の1で、子供が複数いる場合はその2分の1を子供の数で頭割りすることになります。
 たとえば、ご主人が亡くなって、奥様と子供二人が相続人の場合、奥様2分の1、子供はそれぞれ4分の1が相続分です。

 この権利割合は、被相続人の持っていたそれぞれの財産について、そのまま及びます。
 上記の例でいえば、子供の一人は、父親のもっていた不動産、預金その他について、それぞれ4分の1ずつの権利を持つのです。

 ですから、例えば自宅を奥様の名義にしたいと思っても、子供もそれぞれ4分の1ずつ権利を持っていることになりますから、「この不動産はお母さんの名義にしてよい」という内容の「遺産分割協議書」を作らなければ、奥様単独の名義にすることはできません。

 預貯金については、最高裁の判例上、相続が発生したときは相続分に従って当然分割になる、すなわち、上記の例で、100万円の預金であれば妻は2分の1の50万円を銀行に請求できることになりますが、銀行実務上、法定相続人全員のハンコが揃わない限り、銀行は預金引き出しに応じていません。

 以上からお判りのように、相続が発生すると、何事も相続人間の協議が必要となりますから、亡くなった方の気持ちに配慮して円満に事を進めてくれるような相続人ばかりであれば別ですが、そうでなければ争いが発生することになります。

 このような事態を避けるためには、生前に、遺言や信託といった方法で、自分の意思を生かすことを考えることが必要です。

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